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富士通、令和2年春の褒章において紫綬褒章を受章

TOKYO, Apr 28, 2020 - (JCN Newswire) - 当社社員である安島 雄一郎(あじま ゆういちろう)が、数万個以上のプロセッサを高次元で接続して大規模な並列計算機を構成する技術を発明し、スーパーコンピュータの開発を通じて日本の科学技術の発展に貢献した功績が認められ、このほど、令和2年春の褒章において紫綬褒章を受章することとなりました。

本技術は、当社と理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、理事長:松本 紘)様が共同開発しているスーパーコンピュータ「京」および「富岳」や、当社が提供する「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000(フジツウ スーパーコンピュータ プライムエイチピーシー エフエックスセン、以下 PRIMEHPC FX1000)」などにおいて実装され、高速計算処理を実現しています。

功績名
「超並列計算機のためのプロセッサの高次元接続技術の開発」

受章者
富士通株式会社 プラットフォーム開発本部 システム開発統括部 シニアアーキテクト
安島 雄一郎 (あじま ゆういちろう・46歳)

安島 雄一郎の主な受賞・表彰歴
平成24年 市村産業賞 貢献賞
平成26年 全国発明表彰 恩賜発明賞
平成29年 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)

功績の概要
現在、世界トップレベルのスーパーコンピュータシステムでは、数万個以上ものプロセッサを接続して並列計算を実行する超並列計算機が使用されています。このようなシステムでは、それぞれのプロセッサが相互に計算結果などのデータをやり取りすることで、大規模なシミュレーション処理を実現していますが、プログラム処理を実行する際に生じるプロセッサ間の通信干渉の問題や、一部のプロセッサが故障した場合、それを迂回するためにシステムの性能や稼働率が低下する問題がありました。

これに対し、通信経路を増やすことでより多くのプロセッサ同士を隣接させる「高次元接続技術(注1)」を発明しました。これにより、10万個を超えるプロセッサを接続可能になったとともに、プロセッサが故障した際にも故障した箇所の迂回によるデータ通信の渋滞と保守交換のための区画隔離を最小限に留めることができるようになりました。

本技術は、多様な科学技術計算の同時処理を目的とするスーパーコンピュータ「京」や、その後継機である「富岳」に採用されています。とりわけ、「京」のシステム稼働率は計画保守期間を除いて97%を超え、日本の科学技術の発展にも大きく寄与しました。また、国内外の研究施設などで導入が進んでいる当社のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX1000」などにも、本技術が適用されています。

「高次元接続技術」について
本技術の開発を始めた2006年当時の超並列計算を行うスーパーコンピュータでは、プロセッサが縦軸、横軸、奥行きの3方向に交わる格子状に相互接続される3次元メッシュ接続と、さらにどの方向の格子も端同士が接続されてリング状に構成されている3次元トーラス接続が主流でした。

スーパーコンピュータシステムにおいて、プロセッサの一部に故障が発生した場合、故障したものを隔離してシステム全体の運用を維持することが一般的です。しかし、従来用いられていた、区画間を専用の区画化スイッチで接続する方式では、多数の故障していないプロセッサも含め区画単位で隔離してしまうため、システムの稼働率が低下する問題がありました。

「高次元接続技術」では、小さな3次元格子で接続されたプロセッサのグループを単位として、そのグループをさらに3次元トーラス接続することで次元数を拡張しました。本技術ではグループを単位として任意の位置で区画化でき、その区画の単位が細かいため、様々な並列プログラムを同時に、効率良く実行することが可能となります。これにより区画化のためのスイッチは不要となり、高次元化により増えた接続口が全て通信経路になるため、計算性能が向上します。また、グループ間接続リングとグループ内格子構造上の一筆書きを仮想的なループ接続と見なすことで、区画単位だけでなく区画内部での故障隔離も可能にします。

本技術により、超並列計算機における柔軟な区画化、および多様な並列計算プログラムの同時実行を実現しています。

紫綬褒章について
紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた個人に授与される国家褒章です。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/04/28.html

概要:富士通株式会社

詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。



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