TOKYO, Jul 21, 2020 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、帝人株式会社(代表取締役社長執行役員CEO:鈴木 純/以下、帝人)と新素材の研究開発におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の推進に向け、協創を開始します。
帝人は、「中期経営計画2020-2022」において、データ利活用による素材開発の高度化を掲げ、デジタル技術を活用した、研究開発スピードの向上と開発力強化に向けた検討を進めており、今回の日立との協創は、その取り組みの一環となるものです。
今回の協創において、帝人と日立は、デジタルイノベーションを加速する日立のLumada*1で展開されるソリューション・技術を活用し、各種データの一元管理が可能な統合データベースを中核として、マテリアルズ・インフォマティクス*2(以下、MI)をさらに加速するほか、研究者間で研究手法やノウハウを最大限利活用するためのサイバーフィジカルシステム*3(以下、CPS)を共同で構築します。これにより、新たな研究知見の獲得や迅速な新素材の研究探索を可能とするなど、研究開発のさらなる高度化・効率化をめざします。
また、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活様式や企業活動が大きく変化する中で、ウィズコロナを前提としたニューノーマルの時代において求められる、デジタル化の潮流をとらえ、両社で、データ駆動型の研究開発の加速に向けた新たな枠組みを検討していきます。
帝人では、気候変動対策やサーキュラーエコノミー*4の推進など素材の軽量化・省資源化のほか、革新的医療技術の創出に向けた医薬品技術と素材技術の融合といった新たな価値の創出をめざすなど、持続可能な開発目標SDGsと連動したイノベーション創出に向けた取り組みを進めています。
また、欧州市場をはじめとする海外市場への積極的な事業展開を図る中、今後さらに国際競争力を高めるために、先進のデジタル技術を活用して、研究者・組織間で知見・ノウハウを共有・体系化し、各実験装置から得られるさまざまなデータから新たな研究知見を獲得、価値創出へつなげるなど、革新的な研究開発を推進するためのDX実現をめざしています。
帝人と日立は、今回の協創開始に先立ち、日立のITコンサルタントとUXデザイナー*5により、課題抽出や対策立案を行うワークショップを重ね、データ利活用とシステム基盤の導入に向けた検証を行ってきました。先行検証において、業務要件とシステム要件の両面から設計・構築を行い、データ収集効率の向上やMIによるさらなる研究開発の加速など、一定の効果を確認できたため、革新的な研究開発を推進するためのDX実現に向けたグランドデザインの検討を開始しました。
今回の協創では、本格的なMIの導入推進のほか、MIの加速に向けてベースとなる、研究者・組織間での研究手法や研究データ、ノウハウを共有・利活用するための統合データベースを中核に、DX加速のためのシステム基盤を構築します。具体的には、研究者や組織ごとに有する実験データなど各種データを収集し、データレイクの構築により統一的にデータベース上に蓄積するほか、これらのフィジカル空間から蓄積されたデータをサイバー空間で人工知能(以下、AI)などデジタル技術を用いて分析・知識化し、さらには高度な検索機能により、研究者間での研究手法や研究データの利活用を支援する、CPSを実現します。サイバー空間での分析結果をフィジカル空間へ再度フィードバックする循環を繰り返し行うことで、研究開発における新たな知見の獲得やさらなる高度化を図るシステム環境をめざします。
今後も、日立は、Lumadaを中心としたDXを加速するソリューションの拡充・強化を図り、帝人の掲げる新時代におけるデータ駆動型の研究開発と新たなイノベーションの創出に向けた取り組みの強化・推進に寄与していきます。
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概要:日立製作所
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