BOSTON, Jan 28, 2021 - (JCN Newswire) - 先端技術調査を専門とする米調査会社ラックスリサーチは、毎年、先端技術の開発を手がける、世界のスタートアップ企業のプロファイリング調査を実施しています。今回、ラックスリサーチは、2020年に調査した企業の中で、最も高評価を得た注目すべき石油・ガス・エネルギー分野の技術系スタートアップ企業20社を発表しました。
ラックスリサーチでは、毎年、斬新で新しい技術を開発する何千もの一流のスタートアップ企業に対し、自社の技術エキスパートであるアナリストがヒヤリング調査を行います。創業者と直接ディスカッションを行うことで、各社のセールスプレゼンテーションやプレスリリースでは得ることができない技術開発の詳細や事業戦略について理解を得ることができ、これら情報は企業プロファイルとしてまとめられます。
ラックスリサーチの企業プロファイルでは、各社が開発する技術のバリュープロポジションやIP、事業戦略、経営陣、市場のモメンタムなど10のカテゴリーに対しそれぞれ5段階評価でスコアリングが行われ、また、総合評価として、『Strong Positive(ストロング・ポジティブ)』、『Positive(ポジティブ)』、『Wait and See(ウェイト・アンド・シー)』、『Caution(コーション)』、『Strong Caution(ストロング・コーション)』の5段階でスタートアップ企業の評価が行われます。
15年かけて築きあげたこの独自のスタートアップ評価手法は、技術系スタートアップの成功率を的確に評価することを可能とします。ラックスリサーチが今回のように最も高く評価した企業群は、収益性などの観点から事業を成功へと導く確率が低い評価を受けた企業群よりも4倍高いことがわかっています。
今回、注目すべき石油・ガス・エネルギー分野のスタートアップとして発表された企業は、ラックスリサーチより最も評価の高い評価である『ストロング・ポジティブ(Strong Positive)』および『ポジティブ(Positive)』評価を受けた20社です。これら企業はラックスリサーチがエネルギー分野において注目する下記4つのテーマにて分類されています。
●エネルギーネットワークの進化
●産業の脱炭素化
●資源の最適利用
●モビリティ向けエネルギーの未来
ラックスリサーチが選んだ石油・ガス・エネルギー分野の注目すべきスタートアップ企業
※画像を参照 https://www.acnnewswire.com/topimg/Low_20210128.jpg
下記にこれら分野と今回注目すべきスタートアップとして選ばれた企業名を紹介しています。
【エネルギーネットワークの進化】
新たな技術は今日の独立し一方向であるエネルギーサプライチェーンを変えつつあります。既存のインフラを効果的に再利用することが成功へつながる戦略であり、それがどのように可能であるか関係各社は学ぶ必要があります。
注目すべきスタートアップ
●CheeseCake Energy(蓄熱を備えた圧縮空気エネルギー貯蔵)
●Cuculus(スマートメーターおよびエネルギー管理ソフトウェア)
●Greenbird Integration Technology(ユーティリティデータの統合と分析)
●Onzo(最終用途のディスアグリゲーションが可能な家庭用エネルギー管理ソフトウェア)
●Peak Power(商業ビル向けの建物エネルギーモニタリングおよび蓄電最適化サービス)
●Piclo(エネルギーフレキシビリティ取引向けオンラインマーケットプレイス)
●UniEnergy Technologies(グリッドおよびビハインド・ザ・メーター(behind-the-meter)利用のバナジウム系レドックスフロー電池)
【産業の脱炭素化】
産業部門における炭素およびエネルギーの使用は、エネルギーシステムにおいても最も困難な脱炭素化の課題のひとつであり、利用可能なソリューションはまだ多くありません。
注目すべきスタートアップ
●CarbonCure Technologies(プレキャストおよび生コンクリートのCO2養生)
●Framergy(上流のガス捕捉および精製触媒のための有機金属フレームワーク(MOF))
●Svante(煙道ガスからCO2を分離するためのナノフィルター)
【資源の最適利用】
新たなエネルギー技術を活用していくためには、土地や水、また鉱物などの資源を必要とします。資源の入手可能性は制限となり、エネルギートランジションへ大きな影響を与えます。
注目すべきスタートアップ
●EnergySource Minerals(地熱かん水からのリチウムの直接抽出)
●Lithium Americas(アルゼンチンと米国でリチウムイオン電池用リチウム製品を提供)
【モビリティ向けエネルギーの未来】
モビリティ分野の電気化は時に万能薬のように捉えられがちですが、電気化が究極のソリューションであるというわけではなく、モビリティ分野の脱炭素化を達成するには、複数のエネルギーキャリアを活用することが必要となります。
注目すべきスタートアップ
●Ampaire(小型航空機向けバッテリー式電動パワートレインのレトロフィット)
●Amply Power(電気自動車の充電マネジメント)
●Ionic Materials(全固体電池用の固体高分子電解質)
●Lithium Werks(リチウムイオン電池およびモジュールメーカー)
●magniX(航空機および航空宇宙用途向けの電気モーター)
●PolyPlus Battery(ガラスで保護された金属リチウムアノード)
●SolidEnergy Systems(従来のリチウムイオン電池製造でリチウム金属アノードを可能にする)
●Virta(電気自動車の充電管理・サービス向けのプラットフォーム)
本調査を担当したラックスリサーチのディレクター、Yuan-Sheng Yuは次のようにコメントしています。
「ラックスリサーチから『ストロング・ポジティブ(Strong Positive)』および『ポジティブ(Positive)』評価を受けることは容易ではありません。というのも、弊社のアプローチでは、技術的な評価のみではなく、市場戦略についても厳しく評価を行うからです。今回取り上げた石油・ガス・エネルギー分野のスタートアップ・エリート企業たちは、技術開発のみではなく、バランスの取れた事業戦略を採用しており、またその多くがすでにソリューションの商用化に至っており、それぞれの市場内で顧客獲得に成功しています。
昨年より、投資家の間でクリーンテック分野への投資へ新たな関心が高まっており、有望なスタートアップを支援するための資本が流入していることは喜ばしいことです。ただし、それほど高評価を受けるべきではない企業に対する投資も増加することになるでしょう。この分野への投資は10年から20年の投資期間が必要であり、忍耐力を要しますが、過度な期待を抱くような投資家は長期思考を持ち合わせていない可能性もあります。
ラックスリサーチは、現時点ではまだ10年前のようなクリーンテックバブルが起きているとは考えていません。ただ、過去からの学びを忘れ、次のクリーンテック分野のユニコーンを探すことに目を奪われてしまうと、失望するような結果につながる可能性は大いにあります。このような状況であるからこそ、クリーンテック分野における投資を検討している企業は、市場による過大評価に惑わされることなく、自社の投資を正当化するために、適切なデューディリジェンスを行うことが重要です。」
ラックスリサーチについて
ラックスリサーチ(本社:米国ボストン)は先端技術の事業性評価・動向調査を専門とする米系調査会社です。世界の大手企業、政府系機関、コーポレートベンチャーキャピタル、大学、スタートアップ企業を主なクライアントとし、先端技術が生み出す事業機会特定をサポートしています。
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