マサチューセッツ州ボストン - 2021年3月2日 - 先端技術調査を専門とする米調査会社ラックスリサーチは、毎年、先端技術の開発を手がける、世界のスタートアップ企業のプロファイリング調査を実施しています。今回、ラックスリサーチは、2020年に調査した企業の中で、最も高評価を得た注目すべき自動車・運輸分野のスタートアップ企業34社を発表しました。
ラックスリサーチのアナリストは、毎年、斬新な技術を開発する何千もの一流のスタートアップ企業に対しヒヤリング調査を行います。技術エキスパートが創業者と直接ディスカッションを行うことで、各社のセールスプレゼンテーションやプレスリリースでは得ることができない技術開発の詳細や事業戦略について理解を得ることができ、付加価値の高い企業プロファイルを作成することが可能となります。
ラックスリサーチの企業プロファイルは、各社が開発する技術のバリュープロポジションやIP、事業戦略、経営陣、市場のモメンタムなど10のカテゴリーをそれぞれ5段階でスコアリングし、また、総合評価として、『Strong Positive(ストロング・ポジティブ)』、『Positive(ポジティブ)』、『Wait and See(ウェイト・アンド・シー)』、『Caution(コーション)』、『Strong Caution(ストロング・コーション)』の5段階でスタートアップ企業の評価を行います。
15年かけて築きあげたこの独自のスタートアップ評価手法は、技術系スタートアップの成功率を的確に評価することを可能とします。ラックスリサーチが今回のように最も高く評価した企業群は、収益性などの観点から事業を成功へと導く確率がその他企業群よりも4倍高いことがわかっています。
今回、注目すべき自動車・運輸分野のスタートアップとして発表された企業は、ラックスリサーチより最高評価である『ストロング・ポジティブ(Strong Positive)』および『ポジティブ(Positive)』評価を受けた34社です。これら企業はラックスリサーチがモビリティ分野において注目する下記5分野に分類されています。
- 都心部における移動の改善
- シェアドモビリティの収益化
- 運輸の脱炭素化
- 自動運転への適応
- その他
下記にこれら4テーマと今回注目すべきスタートアップとして選ばれた企業を紹介しています。
ラックスリサーチが選んだ自動車・運輸分野の注目すべきスタートアップ企業
【都心部における移動の改善】
都心部に人口が集中し、市内の中心部において車両制限を課す都市が増加するなか、人々の移動を助けるための新たなソリューションが必要とされています。
注目すべきスタートアップ
- Pixel8
- Pantonium
- Traffic Technology Services
- Xandar Kardian
【シェアドモビリティの収益化】
急速に人気が高まっているにもかかわらず、多くのシェアドモビリティサービスは未だ収益性が低く、利益を生み出すための革新的なソリューションを特定する必要があります。
注目すべきスタートアップ
- AutoX
- emotion3D
【運輸の脱炭素化】
電動化は、車両の脱炭素化のための有望なソリューションです。 ただし、今日の充電ソリューションは不十分です。また長距離輸送のエネルギー需要にはまったく新しいソリューションが必要です。
注目すべきスタートアップ
- Amply Power
- Amprius
- Group14 Technologies
- Ionic Materials
- Lithium Americas
- Lithium Werks
- magniX
- Magnax
- Nanoramic Laboratories
- PolyPlus Battery
- Qnovo
- SolidEnergy Systems
- Twaice
- Virta
- Voltaiq
【自動運転への適応】
自動運転車の登場により、自動車のサプライチェーンやメンテナンス業界全体に波及効果がもたらされ、また自動車のユースケースも変化します。
注目すべきスタートアップ
- Ampair
- Blue White Robotics
- Deepen
- Fabric
- GuardKnox
- Helm.ai
- Neolix
- Oceanalpha
- Waterfall Security Solutions
【その他】
4つのテーマ以外でも、モビリティ分野ではイノベーションが活発です。下記スタートアップは4つのテーマから外れるものの、ラックスリサーチが高く評価したスタートアップ企業です。
- Controlant
- Herone
- Rein4ced
- Steelhead
「COVID-19に起因する重大な混乱は自動車メーカーやモビリティプロバイダーへ大きな課題をもたらしましたが、モビリティ業界はこの100年で最も重大な変化を遂げつつあるという事実は変わりません。電動化、自動運転、およびこれら2つのトレンドの交差点で生まれたシェアリングというビジネスモデルは、今日、かつてないほどモビリティ業界での重要を増しています」、と、本調査を担当したラックスリサーチのシニアアナリスト、Christopher Robinsonはコメントしています。
今回紹介したスタートアップ企業のロゴをまとめた図はこちらからダウンロードしていただけます。
ラックスリサーチについて
ラックスリサーチ(本社:米国ボストン)は先端技術の事業性評価・動向調査を専門とする米系調査会社です。世界の大手企業、政府系機関、コーポレートベンチャーキャピタル、大学、スタートアップ企業を主なクライアントとし、先端技術が生み出す事業機会特定をサポートしています。
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戸口久子
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