TOKYO, Jul 28, 2021 - (JCN Newswire) - 三菱重工業はこのほど、関西電力株式会社が保有する美浜発電所3号機(福井県美浜町)において、新規制基準(注)の施行後では初となる炉内構造物の一体取替工事ならびに国内初となるフリースタンディング方式による使用済燃料ピットラックへの取替工事を、関係企業と連携のもと完工しました。
炉内構造物は、原子炉容器の中で燃料集合体を保持するための設備です。新規制基準により設備に求められる耐震性が増大したことを受け、今回の工事では部材の強度を全体的に向上しつつ、海外において発生事例があるボルト損傷への対策も施した炉内構造物の一体取り替えを実施しました。炉内構造物の一体取替工事としては世界5例目で、その全てを当社が施工しています。
一方、使用済燃料ピットラックは、使用した核燃料をプール内へ収納する際に用いられる構造物です。耐震性向上のため、床への固定により地震荷重に耐える従来方式のラックを、床に固定しない自立式を採用したフリースタンディングラックへ取り替える作業を実施。本方式では、ラックを囲む外周板が受ける水の抵抗およびラックと床との摩擦抵抗により、ラックに作用する地震荷重を軽減することが可能です。
これらの安全性向上対策を実施した美浜発電所3号機は、原子力発電プラントの運転期間を原則40年とし、特別な審査に合格すれば20年を上限に1回限り延長できると定めた新規制基準の施行後、40年を超えて運転する国内初のプラントとしてこのほど営業運転を再開しています。
三菱重工は引き続き、原子力発電プラントメーカーとして培ってきた高度な技術を通じて、プラントの安全性向上ならびに安全かつ安定した営業運転実施に貢献していきます。
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概要:三菱重工業株式会社
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