7/18/19

エーザイ、エレンベセスタットについてスパイン密度価による脳内シナプス機能への影響を検討した非臨床研究結果を発表

TOKYO, Jul 18, 2019 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、経口βサイトアミロイド前駆体タンパク質切断酵素(BACE)阻害剤エレンベセスタット*1について、スパイン密度*2評価による脳内シナプス機能への影響を検討した非臨床研究の最新データを2019年7月14日から18日まで米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されたアルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference: AAIC)2019において発表しました。【ポスター発表番号:P2-064】

BACEは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のβサイトを切断するアミロイドβ(Aβ)産生の律速酵素です。BACE阻害剤は、毒性種と考えられる脳内のAβ凝集体を減少させ、病態の進行を抑制する疾患修飾作用が期待されています。一方で、BACEによって変化を受ける物質(基質)として、APP以外にもシナプスの形成や機能において生理学的な役割を持つ基質も知られています。本研究では、新規の前臨床マウスモデルを用いて、BACE阻害剤の4週間投与後におけるCSF中のAβレベルおよび脳内シナプス機能への影響について検討しました。検討化合物には、エレンベセスタット(自社創製)、ベルベセスタットおよびlanabecestatを用い、神経細胞の樹状突起上に存在するスパインの密度(樹状突起10µmあたりのスパインの数)と海馬シナプトソーム(単離したシナプス終末)のミトコンドリア機能(ミトコンドリア酸素効率)を指標としてシナプス機能への影響を評価しました。スパイン密度の低下およびミトコンドリア機能の低下はシナプス機能に障害を与え、認知機能を悪化させると考えられています。

なお、各BACE阻害剤の投与量は、マウスのCSF中Aβの減少効果の実験データから、それぞれの臨床試験用量に相当するように設定しました。

本検討の結果、エレンベセスタットについて、CSF中Aβレベルが有意に低下した3、10mg/kg投与群おいて(p<0.001)、スパイン密度およびミトコンドリア機能への有意な影響は見られませんでした。

ベルベセスタットについては、CSF中Aβレベルが有意に低下した10、30mg/kg投与群において(p<0.001)、スパイン密度の有意な低下が見られました(p<0.05)。lanabecestatについては、CSF中Aβレベルが有意に低下した30、100mg/kg投与群において(p<0.001)、スパイン密度はいずれの投与群も有意に低下し(p<0.05)、ミトコンドリア機能は100mg/kg投与群において有意に低下しました(p<0.05)。

これらの結果から、エレンベセスタットは、CSF中Aβレベルを低下させる有効用量において脳内シナプス機能には影響を与えないことが示されました。

当社は、アルツハイマー病/認知症領域分野における35年以上の創薬活動の経験を基盤に、包括的なアプローチによる創薬研究を通じて、認知症の予防と治癒の実現をめざしています。革新的な治療薬を一日も早く創出し、アンメット・メディカル・ニーズの充足と患者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

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概要:エーザイ株式会社

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