Nagoya, Japan, Feb 27, 2020 - (JCN Newswire) - 三菱重工グループの三菱航空機(社長:水谷久和、本社:愛知県)は、国内組み立て初号エンジン「Pratt & Whitney GTF(TM) PW1200G」を開発中の「三菱スペースジェット」に初めて搭載し、飛行を実施しました。飛行は、同社の1号機(FTV1)に搭載され、アメリカの飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」にて行われました。
国内初組み立て初号エンジンの飛行の成功により、三菱航空機及び三菱重工航空エンジンは、日本における民間航空事業の発展を示す重要なマイルストーンを達成しました。
三菱航空機社長の水谷久和は、「民間機向け航空エンジンを日本国内で組立て、飛行させることができたという事実は、高い信頼性の民間旅客機を開発しようとする当社にとって大きな一歩です。また、同時に私たちは国内民間航空機産業における、大変重要なマイルストーンを達成しました」とコメントしています。
三菱重工航空エンジン社長の島内克幸氏は、「我々が完成させたエンジンの初号機が飛行を達成したことを大変嬉しく思います。三菱航空機の完成機事業に加え、民間航空機エンジンの組み立てまでも日本国内でできるようになるということは、スペースジェットのサプライチェーンの信頼性向上に大きく貢献し、国内航空機産業の成長に向けて大変前向きで重要な意味がございます。今後とも、皆さんと共に努力していきたいと思います」とコメントしています。
Pratt & WhitneyのPW1200GプログラムディレクターであるBryan Rivard氏は次のようにコメントしています。「チームの皆さん、この重要な成果の達成、おめでとうございます。日本で組み立てられた革新的なGTF技術が、世界に羽ばたくことを誇りに思います。」
また、水谷は「私たちは、航空機だけではなく、同時に日本の民間旅客機産業そのものを作り上げている過程にあります。MHIAELの皆様の弛まぬ努力と、Pratt & Whitneyのご協力により、このような形で飛行を迎えられたことに、心から感謝を述べさせて頂きます」と話しました。
初回の飛行は、2月14日(金)(現地時間)にて行われ、三菱航空機の飛行試験チームがエンジンの基本機能(通常飛行)を確認し、エンジン及び機体の性能を確認しました。その後の飛行で、エンジンと機体の双方の性能が確認できました。今後数週間で、国土交通省と米国連邦航空局が実施している型式証明(TC)飛行試験に参加する予定です。
PW1200Gについて
PW1200Gエンジンは、Pratt & Whitneyの独自技術であるGTF(Geared Turbofan(TM))の採用により、低圧タービンを高速回転させて最適な効率を得る一方、ファンを低速回転させて大幅な騒音低減を実現しており、燃費性能と環境性能の飛躍的向上を実現しました。2014年に会社設立したMHIAELの本社工場はPW1200Gの最終組立とテストを行う2ヵ所のうちの一つで、PW1200Gエンジンは、カナダのケベック州ミラベル(Mirabel)市にあるP&Wのミラベルエアロスペースセンターでも最終組立とテストが行われています。
三菱重工航空エンジン(MHIAEL)について
三菱重工航空エンジン(MHIAEL)は、2014年に設立された三菱重工グループの航空エンジン事業会社です。米国Pratt & Whitney、英国Rolls-Royce等の航空機用エンジンOEMとの提携による商業用航空エンジンの開発・製造等を行っているほか、Pratt & WhitneyのPW4000エンジンやインターナショナル・エアロ・エンジンズのV2500エンジンのMRO事業も実施しています。さらに、三菱航空機が開発中のリージョナルジェット旅客機「三菱スペースジェット」に搭載するPW1200Gエンジンについて、日本初の民間航空機用ジェットエンジン最終組立ラインを設置し、2017年にエンジン組み立て作業を開始。2019年には国内組立初号機を完成、出荷しました。MHIAELは、PW1200Gエンジンという次世代型ジェットエンジン技術を通じて世界の民間航空市場のイノベーションに貢献していきます。
三菱航空機について
Mitsubishi SpaceJetファミリーは、三菱航空機が開発、販売、及びサポートする次世代リージョナルジェット機で、同クラスの機体の中で最大の客室空間及び座席幅、そして大きなオーバーヘッドビンを提供します。三菱航空機は三菱重工のグループ会社で名古屋にグローバル本社を構え、米国本社はワシントン州レントンにあります。
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