TOKYO, Sep 24, 2021 - (JCN Newswire) - グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズは本日、現在の半導体不足が世界の自動車業界に及ぼす影響についての試算結果を発表しました。自動車メーカーが被る2021年の生産損失額は、直近の試算では2,100億ドル(約23兆円)のインパクトになると予測しています。今年5月の時点では1,110億ドルと予測していました。また、2021年の世界の自動車生産台数は現時点では7,690万台に留まると考えており、当初想定である8,460万台から770万台減少すると予測しております。5月時点の予測の390万台を大きく上回っています。
アリックスパートナーズ自動車・製造業プラクティス グローバル共同リーダーのマーク・ウェイクフィールド(Mark Wakefield)は次のようにコメントしています。「誰もが今頃には半導体危機は解消されていると考えていましたが、マレーシアにおけるロックダウンなど新型コロナウイルス感染拡大による影響が各国に広がり、半導体問題は益々悪化しています。しかし、半導体不足は自動車業界が現在直面している想定外のディスラプションの一つにすぎず、その他にも樹脂や鉄鋼、加えて労働者不足も大きな問題となっています。こうした厳しい状況下では自動車メーカーおよびサプライヤーに誤った判断は許されないでしょう。十分な情報収集と分析を行い、あらゆる代替策を検討しながら最善の策を選択する必要があります」。
また、アリックスパートナーズ自動車・製造業プラクティス 日本リーダーの鈴木智之は次のようにコメントしています。「パンデミックに端を発した半導体危機は中期的かつ桁違いのスケールで自動車業界に影響を及ぼしています。自動車業界にとって半導体不足が最大のリスクとなった今、各企業の努力のみならず、自動車業界全体で半導体不足を解消すべくサプライチェーン再構築に向けて活動することが求められています。各社は戦略的なバッファ在庫保有検討、原材料調達から製造委託工場や自社工場での製造まで長期的視点でのサプライチェーンの再構築、リスクの早期検知システム、共用化コンセプトに立脚した部品設計など、半導体だけでなくあらゆるコモディティの調達においてより能動的なアクションを取れるよう対策を講じる必要があります」。
現在、自動車業界が置かれている事業環境の改善に向けては以下の検討が必要と考えています。
●半導体不足の状況が当面続く可能性を考慮し、どの製品や工場を優先的に稼働させるか
●グローバルサプライチェーン全体の可視性と問題の早期発見をいかに実現するか
●半導体を含む今後在庫を増加させることに伴い、手元資金等をいかに効果的に管理するか
●パンデミックによる巨額負債を回避し、短期的に財務の柔軟性を高めるにはどうすればよいか
●財務体質を向上させる構造改革レバーとはなにか
半導体の確保は自動車業界にとって死活問題となっています。日本のみならず海外を含めた半導体製造工程、組立工程、モジュール化工程における全てのプロセスを理解して対策を練ることがポイントとなります。重要なことは、常に先手で自らアクションを起こすこと、そして確かな情報と分析力を十分に備えることです。
アリックスパートナーズについて
1981年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界20都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は2005年。日本語ウェッブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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