TOKYO, Jan 31, 2022 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、このたび、自社創製のチロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.(北米以外では MSD)の抗 PD-1 抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法による進行性腎細胞がん一次療法としての適応で、台湾において承認を取得したことをお知らせします。本承認は、「レンビマ」の「キイトルーダ」との併用療法による、アジアにおける進行性腎細胞がんに対する初めての承認となります。
本承認は、進行性腎細胞がんの一次治療を対象とした臨床第III相 CLEAR(307)試験/KEYNOTE-581 試験の結果に基づいています。本試験結果は、2021 年 2 月に開催された米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム 2021 での発表と同時に the New England Journal of Medicine に掲載されました。本試験では、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、有効性主要評価項目である無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)、並びに重要な有効性副次評価項目である全生存期間(Overall Survival: OS)と奏効率(Objective Response Rate:ORR)について、対照薬のスニチニブに対する統計学的に有意な改善を示しました。本併用療法の PFS は中央値が 23.9 カ月であり、スニチニブの 9.2 カ月と比較して、増悪または死亡のリスクを 61%減少させました(HR=0.39 [95%信頼区間(Confidence Interval: CI): 0.32–0.49];p<0.0001)。また、本併用療法は、OS について、スニチニブと比較して、死亡のリスクを 34%減少させました(HR=0.66 [95%CI: 0.49–0.88]; p=0.0049)。加えて、本併用療法の確定 ORRは 71%(95%CI: 66-76)(n=252)であり、スニチニブは 36%(95%CI: 31-41)(n=129)でした。本併用療法の完全奏効(Complete Response: CR)率は 16%、部分奏効(Partial Response:PR)率は 55%であり、スニチニブの CR 率は 4%、PR 率は 32%でした 。なお、試験の本併用療法投与群で高頻度に確認された有害事象(全グレード、上位 5 つ)は、疲労、下痢、筋骨格系障害、甲状腺機能低下症、高血圧でした 。
腎がんの罹患者数は 2020 年には、世界で 43 万人以上と推定され、約 18 万人が亡くなったとされています。台湾では 2018 年に 1,400 人以上が新たに診断され、600 人以上が亡くなられたと推定されています。腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9 割を占めています。腎細胞がんは、多くの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。腎細胞がん患者様の約 30%は、診断時に転移が確認され、約 40%の患者様は局所性腎細胞がんに対する一次外科治療後に再発すると報告されています。生存率は診断時のステージによって大きく変わりますが、転移性腎細胞がんの 5 年生存率は 12%であり、予後の悪い疾患です。
当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出をめざしています。当社は、「レンビマ」によるがん治療の可能性を引き続き追求し、世界のがん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。
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