TOKYO, Dec 18, 2019 - (JCN Newswire) - 昭和電工株式会社(以下「昭和電工」といいます。)の完全子会社である HC ホールディングス株式会社 (以下「公開買付者」といい、公開買付者と昭和電工を総称して、以下「公開買付者ら」といいます。)は、 本日、公開買付者の代表取締役において、公開買付者が、日立化成株式会社(コード番号 4217、株式会社 東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部上場、以下「対象者」といいます。)の 普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を金融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を 含みます。以下「法」といいます。)による公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)により取得す ることを決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
なお、本公開買付けは、国内外(日本、中国、韓国、米国、欧州連合及び台湾)の競争法に基づく必要な 手続及び対応が完了すること等一定の事項が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を本公開買付け開始の前提条件(詳細は、下記「1.買付け等の目的等」の「(1)本公開買付けの概要の(注 1)」をご参照ください。)としております。公開買付者は、当該前提条件が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)、速やかに本公開買付けを開始することを予定しており、本日現在、2020 年2月 頃には本公開買付けを開始することを目指しておりますが、国内外の競争当局における手続等に要する期間を正確に予想することは困難であるため、本公開買付けの日程につきましては、決定次第速やかにお知らせ いたします。
記
1.買付け等の目的等
(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、昭和電工が、その発行済株式の全てを所有する昭和電工の完全子会社であり、株式又は持分を所有することにより、対象者の事業活動の支配及び管理を行うことを主たる目的として、2019 年 12 月9日に設立された株式会社で、本日現在、公開買付者らは対象者株式を所有しておりません。 なお、公開買付者の概要は以下のとおりです。
公開買付者の概要
1) 所在地: 東京都港区芝大門一丁目13 番9号
2) 代表者の役職・氏名: 代表取締役 和久津 英史
3) 会社の目的及び事業の 内容: 以下の事業を営むこと、並びに、以下の事業を営む会社の株式又は 持分を所有することにより、当該会社の事業活動の支配及び管理を 行うことを目的とする。
1.電気絶縁材料及び電気機械器具の製造及び販売
2.電子材料及び電子部品の製造及び販売
3.電池、キャパシタ並びにそれらの応用製品の製造及び販売
4.合成樹脂、その他有機化学製品及びそれらの応用加工製品、環 境設備機器の製造及び販売
5.住宅機器及び建築材料の製造及び販売
6.窯業製品、炭素製品、その他無機化学製品及びそれらの応用製品の製造及び販売
7.医薬品及び医療機器の製造及び販売
8.粉末冶金、特殊金属及びそれらの応用製品の製造及び販売
9.電気工事、電気通信工事、機械器具設置工事、土木工事、鋼構 造物工事、その他建設工事の設計、施工、監理及び請負
10.前各号に関連する一切の事業
4) 資本金: 1円(2019 年12 月18 日現在(注))
公開買付者は、本日、公開買付者の代表取締役において、本公開買付け開始の前提条件(注1)(以下「本前提条件」といいます。)が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)、東京証券 取引所市場第一部に上場している対象者株式の全て(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。) を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として本公開買付けを実施することを決定いたしました。
公開買付者らは、本公開買付けの実施に際して、本日、対象者の親会社である日立製作所との間で、 日立製作所が所有する対象者株式の全て(106,699,955 株、所有割合(注2):51.24%、以下「本応募株式」といいます。)を本公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といい ます。)を締結しております。
本応募契約の詳細については、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」をご参照ください。
なお、本公開買付けが成立した場合、対象者は日立製作所の子会社ではなくなり、対象者と日立製作 所の間の資本関係はなくなりますが、対象者の事業活動を円滑に継続するため、対象者は、日立製作所との間で、日立ブランドの使用に関する契約及び委託研究に関する契約を、また、日立製作所及び日立製作所のグループ会社との間で、サービスの移行に関する契約(以下「本移行サービス提供契約等」と 総称します。)を締結することを予定しているとのことです。
本公開買付けにおいては、買付予定数の下限を、対象者の発行済株式総数から対象者が所有する自己株式数を控除した数の株式に係る議決権の数の3分の2に相当する数(小数点以下は切上げ)に、対象 者の単元株式数である100 株を乗じた数(注3)に設定し、本公開買付けに応じて応募された株券等(以 下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、公開買付者は、 応募株券等の全部の買付け等を行いません。一方、本公開買付けにおいては、対象者を完全子会社化す ることを目的としているため、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、対象者株式の全て(ただし、 対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記 「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続(以下「本完全子会社化手続」といいます。)を実施することにより、公開買付者が対象者株式の全て(た だし、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を完全子会社化することを予定しております。
なお、本公開買付けが成立した場合には、本決済開始日付で、対象者は日立製作所の子会社ではなく なり、昭和電工の連結子会社(孫会社)となる予定です。また、本公開買付けが成立した場合には、公 開買付者は、本決済開始日付で、新たに対象者の親会社及び主要株主である筆頭株主に該当する見込みです。さらに、昭和電工は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者の総議決権の 50%超の議決権を所有しているため、本決済開始日付で、新たに対象者の親会社に該当する見込みです。
公開買付者らは、本公開買付けに係る決済に要する資金について、昭和電工における株式希薄化による資本効率性低下の回避と財務健全性の維持を考慮した調達を行う方針です。
具体的には、公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、みずほ銀行からの最大 4,000 億円の借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)、みずほ銀行及び株式会社日本政策投資銀行からの公開買付者のA 種優先株式の引受による最大2,750 億円の出資(以下「本優先株式出資」といいます。 ) 、 並びに昭和電工からの公開買付者の普通株式の引受による最大2,950 億円の出資(以下「本普通株式出 資」といいます。)により賄うことを予定しており、本決済開始日の前営業日までに、1)前提条件書類の提出、2)借入申込書の提出、3)貸付不能事由の不存在、4)一定の口座の開設・維持、5)関連契約の締結、維持、6)一定の担保契約の設定・対抗要件具備、7)重要な表明保証違反の不存在、8)重要な義務違反の不存在、9)一定の期限の利益喪失事由の不存在、10)本公開買付けの成立その他本公開買付けに関す る一定の事項についての確認、11)昭和電工が公開買付者の完全親会社であること、12)みずほ銀行に提出 した事業計画の不変更、13)対象者を公開買付者の完全子会社とするための取引のストラクチャーの不変更、14)一定の期日までに昭和電工による出資が行われていること、15)一定の期日までに本優先株式出資がなされていること、16)一定のもの以外の対象者グループにおける既存借入金、既存融資枠及び既存担 保権・保証等の不存在並びに返済・解消の確実性、17)その他貸付契約で特定する事項を条件として、本 銀行融資を受けることを予定しております。また、公開買付者は、本決済開始日の前営業日又は2営業日前までに上記(注)記載の1)乃至16)記載の事項を条件として、本優先株式出資を、本決済開始日の2 営業日前又は3営業日前までに本昭和電工宛融資の実行を条件として、本普通株式出資を、それぞれ受 けることを予定しております。なお、本銀行融資に係る融資条件の詳細は、みずほ銀行と別途協議の上、 本銀行融資に係る融資契約において定めることとされておりますが、本銀行融資に係る融資契約では、 公開買付者が所有する対象者株式等について担保権が設定されることが予定されているほか、本完全子会社化手続により対象者の株主が公開買付者のみとなった後は、対象者が公開買付者の連帯保証人となり、かつ、対象者の一定の資産等について担保権が設定されることが予定されております。また、A 種優先株式については、出資額の一定割合に対して格付機関から資本性の認定を受けることを予定してお ります。なお、昭和電工は、本普通株式出資に必要となる資金を、1)前提条件書類の提出、2)貸付不能事由の不存在、3)関連契約の締結、維持、4)表明保証違反の不存在、5)義務違反の不存在、6)期限の利益喪失事由の不存在、7)本公開買付けの成立その他本公開買付けに関する一定の事項についての確認、 8)みずほ銀行に提出した事業計画の不変更、9)対象者を公開買付者の完全子会社とするための取引のス トラクチャーの不変更、10)その他貸付契約で特定する事項を条件として、本昭和電工宛融資により調達する予定であり、昭和電工においては、新株発行を伴う資金調達は予定しておりません。
なお、対象者が本日公表した「HC ホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象 者は、本日開催の取締役会において、現時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された 場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付 けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。
上記対象者の取締役会決議の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(3)本公開買付価格 の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保する ための措置」の「6) 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経 営方針
公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公 開買付け後の経営方針は、以下のとおりです。なお、以下の記載のうち対象者に関する記述は、対象者 から受けた説明及び対象者が公表した情報に基づくものです。
1) 公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、昭和電工が、その発行済株式の全てを所有する昭和電工の完全子会社であり、株 式又は持分を所有することにより、対象者の事業活動の支配及び管理を行うことを主たる目的として、 2019 年12 月9日に設立された株式会社です。公開買付者の親会社である昭和電工は、1939 年6月1 日、日本電気工業株式会社と昭和肥料株式会社との合併により発足し、1949 年5月に東京、大阪、 名古屋、札幌及び福岡の各証券取引所に株式を上場しました。その後、大阪、名古屋、札幌、福岡の 各証券取引所における取引高が少なく、上場廃止による株主、投資家の皆様に及ぼす影響がほとんど ないと考え、2003 年6月に大阪、名古屋、札幌、福岡の各証券取引所において上場廃止申請を行い、 2003 年7月に上場廃止となり、東京証券取引所市場第一部に上場を一本化しております。昭和電工 は、昭和電工並びにその連結子会社58社及び持分法適用関連会社11社(2018年12月31日現在)か らなる企業グループ(以下「昭和電工グループ」といいます。)を構成しており、昭和電工グループ は国内外において石油化学事業、化学品事業、エレクトロニクス事業、無機事業(注1)、アルミニ ウム事業等を営んでおります。
昭和電工グループは、「社会的に有用かつ安全でお客様の期待に応える製品・サービスの提供によ り企業価値を高め、株主にご満足いただくと共に、国際社会の一員としての責任を果たし、その健全な発展に貢献すること」を経営理念に掲げております。かかる経営理念を実現するため、「すべてのステークホルダーを満足させる」ことを Mission(使命・存在意義)とし、Vision(目指す姿)を 「個性派企業」と定めました。そして、デジタル化社会の進展、自動車の軽量化・複合素材の普及、 生活の質の向上、特殊半導体(注2)の拡大など、昭和電工グループのお客様が対面する市場や社会 構造といった外部環境の大きな変化を自ら先読みしていくことが今後の成長には必要不可欠であるこ とから、"顧客体験=CUSTOMER Experience の最大化"をValue(「個性派企業」実現に向けた手段)と 定義することで、「製造業を超えたソリューション提供カンパニー」へとビジネスモデルの革新を追 求しております。
昭和電工が目指す「個性派企業」とは「収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体」であり、「個性派事業」は適正な市場規模でグローバルトップシェアを獲得できる事業と定義 しております。適正な市場規模は個別事業分野の特性や事業環境によりますが、一つの目安として 500 億~5,000 億円の市場を有力な対象として考えております。
昭和電工は、電子材料用高純度ガス(注3)やハードディスク、さらには黒鉛電極など、既に特 色ある個性派事業を有していると考えており、また、アルミニウム事業やセラミックスを含めた非有 機、無機化学品事業が、売上高の半数超となっております。この点、有機化学の事業が太宗を占める 企業が多く存在する化学業界において、化学メーカーでありながら売上高の半数超が非有機、無機化 学品事業で占められる昭和電工の事業ポートフォリオは、世界的にもユニークな事業ポートフォリオ となっております。2018 年12 月に公表し 2019 年から開始した3ヶ年の中期経営計画"The TOP 2021" (以下「昭和電工中計」といいます。)においては、既存の個性派事業に続く新たな個性派事業群の 確立に取り組み、2025 年には少なくとも既存事業の半数以上を「個性派事業」とすることを中長期的な経営目標としており、かかる経営戦略を実現すべく、1,500 億円の M&A 枠を含む総額 4,000 億円の投資枠を打ち出し、個性派企業として競争力を高める手段としての他社との提携、アライアンスの 方策の検討を進めてきました。
一方、対象者は、1912 年8月に日立製作所においてモーター用絶縁ワニスの研究を始め、1962 年 10 月に日立製作所から分離独立し、日立化成工業株式会社として設立されたとのことです。独立当 初の対象者事業は、電気絶縁材料や合成樹脂等化学工業に基礎を置くものが主でしたが、徐々にエレ クトロニクス関連事業の比重が増し、さらには自動車部品、ライフサイエンス、産業用電池等多岐に わたる分野に事業内容が広がったことから、対象者の事業内容と商号中の「工業」が持つイメージに 乖離が生じた等の理由により、2013 年1月に商号を「日立化成株式会社」に変更したとのことです。
対象者は、対象者並びに子会社89社及び持分法適用会社2社(2019年3月31日現在)からなる企業グループ(以下「対象者グループ」といいます。)を構成しており、機能材料(注4)及び先端部 品・システムの製造・加工及び販売を主たる事業としているとのことです。また、対象者株式は、 1970 年10 月に東京・大阪両証券取引所市場第二部に上場し、1971 年8月に東京・大阪両証券取引所 市場第一部への上場を果たしているとのことです。なお、2013 年7月に東京証券取引所と大阪証券 取引所の現物市場が統合され、これに伴い、現在は東京証券取引所市場第一部に上場しているとのこ とです。
1963 年4月の営業開始以来、対象者は、4つの源流製品(絶縁ワニス(注5)、積層板(注6)、 絶縁ガイシ(注7)、カーボンブラシ(注8))から発展した広範な基盤技術を製品開発の支えとし、これらの技術を複合、融合させるとともに、市場動向、顧客ニーズを踏まえ、幅広い事業を展開してきたとのことです。
対象者は、現在は「時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献すること」を企業理 念とし、今後も成長が見込まれ、対象者の技術的な強みが発揮できる4つの注力事業領域(情報通信、 モビリティ、エネルギー、ライフサイエンス)において、顧客への最適なソリューションの提供を推 進しているとのことです。 各注力事業領域の内容は次のとおりとのことです。
- 情報通信: 半導体材料、ディスプレイ材料、配線板材料、配線板 等、高度情報化社会を支えるインターフェースデバイ ス・システム向け材料の製造・販売
- モビリティ: 樹脂成形品、摩擦材、粉末冶金製品、負極材等、自動 車・交通インフラに関わる材料、部材の製造・販売
- エネルギー: 産業用・自動車用鉛蓄電池及びコンデンサ等、新エネル ギー・環境対応に貢献する製品の製造・販売
- ライフサイエンス: 材料技術を活用した診断薬の開発・製造・販売及び再生 医療等製品の受託製造サービス
対象者を取り巻く高機能製品市場では、半導体の微細化・多層化に伴う工程の複雑化等に伴い、 封止材等の材料に求められる熱伝導性が2倍、3倍となる等顧客より要求される機能が短時間の間に 変化するとともに、既存製品・技術の競争は一段と激化しているとのことです。
このような状況の中、対象者は、有機・無機(注9、注 10)化学双方に関する材料技術のほか、 プロセス技術、評価技術をベースとし、顧客の課題を解決する「機能」を創出し、市場の変化に応じ ながら成長領域へ挑み、ソリューションを提供することを通じて「グローバルトップクラスの高機能 材料メーカー」へと変革を図ろうとしているとのことです。 各事業部門の現状及び今後の施策の検討状況は以下のとおりとのことです。
- 情報通信: 半導体の微細化・多層化に伴う工程の複雑化や、5G 高速通 信・ディスプレイ技術の進化により、高度な技術を要する領 域で需要が拡大しております。対象者は、ニッチ戦略と、 「パッケージングソリューションセンタ」(注11)を活用した クラスター戦略の双方から施策を展開することにより、継続 的な成長を目指していくとのことです。
- モビリティ: 自動車販売台数は伸び悩んでおりますが、環境規制による xEV(Electrified Vehicle)化の進展及び軽量・小型化、コネ クテッド化(注 12)等の車両の性能向上に伴い、高機能材料 は堅調に需要が拡大しているとのことです。対象者は、広範 な材料技術のほかモジュール技術を強みとし、成長領域にお ける新材料等の開発により継続的な成長を目指していくとの ことです。
- エネルギー: 自動車用電池は、ISS(Idling Stop and Start)車に加え、環 境対応車用の需要が堅調に推移しているほか、産業用電池は データセンタ・再生エネルギーの普及に伴い、需要が拡大し ております。対象者は、事業の効率性を改善させながら、成 長領域での事業展開を推進していくとのことです。
- ライフサイエンス: 診断薬は、予防医療や迅速診断に関するニーズ拡大に伴い、 市場が拡大しております。対象者は、新製品開発・拡販と海 外販路の拡充に取り組んでまいります。また、再生医療等製 品は、中長期的に大幅な市場成長が見込まれております。対 象者は、再生医療等製品の受託製造に加え、培地(注 13)や 消耗品等関連事業の立ち上げを推進していくとのことです。 これらにより、ライフサイエンス事業を将来の基盤事業へと 育成していくとのことです。
昭和電工としては、対象者は、企業スローガンである「Working On Wonders」に象徴されるように、 歴史的に"技術革新型企業"のDNA を一貫して持ちながら成長領域にチャレンジし、材料技術、プロセ ス技術、評価技術から成る基盤技術をベースに高付加価値な「機能製品」を創出することで、持続的 成長を実現していると考えております。また、対象者の目指す姿は、幅広い有機・無機の材料技術を 組み合わせ、顧客の課題を解決する「機能」を創出すると共に、市場の変化に応じて成長領域へ挑み、 「ソリューション」を提供することができる、「存在感のあるグローバルトップクラスの高機能材料 メーカー」であると考えております。そして、目指す姿の実現に向けては、CMP スラリー(注14)や 銅張積層板(注 15)といった高シェアを有する半導体関連製品を中心とした情報通信事業本部を成 長の屋台骨とし、エネルギー事業本部については、過去数年で獲得した海外拠点を橋頭堡として高収 益・高成長領域を中心とした事業成長と効率性改善を目指すほか、中長期的には電池監視システム サービスを国内外に展開することにより、安定的な収益源を多角化しつつ、また、対象者の強みを活 かしOEM時のブラックボックス化対応(注16)を実現している樹脂製バックドアモジュール(注17) や高品質セグメントで強みを持つリチウムイオン電池用カーボン負極材を中心としたモビリティ事業 本部と、市場成長が期待できる再生医療・診断薬領域の中でも対象者の材料技術を用いたビジネスの 確立を狙うライフサイエンス事業本部を中期・長期的な成長の柱とすることで、継続的な成長を支え る補完性の高い事業ポートフォリオ構築が企図されていると考えております。
近年、中国の素材メーカーが母国市場の大きさを背景として規模の経済性を活かした事業を展開し、また、中東の素材メーカーも川上の資源調達からの一貫したバリューチェーンを構築することに よりコスト競争力を高めております。このように世界市場での競争力を高める動きが加速する中、今後、我が国の素材メーカーがグローバルトップとして勝ち残るためには「適正な市場規模において トップシェアを有するグローバルリーダーとして事業成長を加速させる」こと、そして、多様化かつ 高度化する顧客ニーズに柔軟に応えるために「幅広い素材や技術を組み合わせたソリューション提供」を行うことが重要と考えておりました。
このように、昭和電工は、対象者及び素材メーカーの情勢について上記のように考えていた中で、 上記のとおり昭和電工中計において、2019年から開始した3ヶ年における1,500億円のM&A枠を含む 総額4,000 億円の投資枠を打ち出し、個性派企業として競争力を高める手段としての他社との提携、 アライアンスの方策の検討を進めていたところ、2018 年 12 月上旬に日立製作所による対象者の売却に関する観測報道が出たため、2019 年2月上旬より、対象者株式の取得に関する検討を開始いたし ました。その後、昭和電工は、公開情報に基づき事業面及び財務面から本取引の意義や実現可能性に ついて検討した結果、2019 年7月上旬までに、「機能創出・ソリューション提供を通じた存在感のあ るグローバルトップクラスの高機能材料メーカー」を目指す対象者と、「製造業を超えたソリュー ション提供カンパニー」を目指す昭和電工は、目指す姿が一致していることに加え、対象者の「ニッ チ&クラスター戦略」(注 18)は、昭和電工の「個性派事業戦略」と、ソリューション志向である点 や多くのグローバルトップシェア事業を対象とした成長戦略であるといった意味において共通性があるため、昭和電工が対象者を子会社化することは、両社の経営方針にも合致すると考えるに至りまし た。
そして、グローバル競争の激化や市場構造の変化によって今後も変化することが予想される次世代素材産業において、共に産業構造を変えるような新しい事業体を作ることができるとの考えに至り、 対象者株式の売却に係る入札プロセスに参加して事業計画を含む非公表の情報を取得し、それらの情 報を踏まえて、本取引の意義、買収ストラクチャー、本取引の実現可能性、買収後のガバナンスや経営方針について更なる検討を実施することを企図して、2019 年7月上旬に日立製作所及び対象者から打診された第一次入札に参加することとしました。昭和電工は、第一次入札プロセスにおいて、対 象者から開示を受けた情報や公開情報に基づき分析、検討を行った結果、昭和電工が対象者を完全子 会社化することにより、最終顧客の高度かつ多様な要求(注 19)に対して迅速かつ柔軟なソリュー ション提案を行うことが可能になるであろうと考え、2019 年8月上旬に第一次意向表明書を提出し ました。
その後、昭和電工は、2019 年9月下旬に、第二次入札プロセスへの参加が認められる旨の通知を 受け、第二次入札プロセスに参加することとなりました。昭和電工は、第二次入札プロセスにおいて、 2019年10月上旬より同年11月中旬まで、約7週間にわたって対象者グループに対する事業、財務・ 税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや対象者の経営陣との面談を実施し、それらの情報 を踏まえて、本取引の意義、買収ストラクチャー、本取引の実現可能性、買収後のガバナンスや経営方針について更なる分析、検討を進めました。
第二次入札プロセスにおけるデュー・ディリジェンスや対象者の経営陣との面談を通して得られ た情報に基づく分析、検討の結果、2019 年 11 月中旬、昭和電工は、対象者を完全子会社化すること により、下記に記載する事業シナジーが期待され、また、下記に記載する昭和電工の考える対象者の 事業領域別の戦略的意義及びアクションプランを実現できると考えるに至りました。なお、以下のよ うな事業シナジーを最大化し戦略的意義及びアクションプランを実現するためには、対象者における 迅速な意思決定が必要であるところ、そのためには対象者の上場を維持し、上場会社としての独立性 を前提とする業務提携や資本提携ではなく、少数株主との利益相反のおそれを排して、対象者を完全 子会社化することが不可欠であると考えております。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
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概要:昭和電工株式会社
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昭和電工株式会社
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