TOKYO, Jun 1, 2020 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である令和2年度「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント (以下、VPP)構築実証事業費補助金*1(以下、本事業)」にリソースアグリゲーター*2 (以下、RA)として応募し、本事業の執行団体である一般社団法人 環境共創イニシアチブ(代表理事:赤池 学)から採択されました。
日立は、平成31年度より、本事業において関西電力株式会社(代表取締役社長:森本 孝/以下、関西電力)がアグリゲーションコーディネーター*3(以下、AC)を務める関西VPPプロジェクト*4にリソースアグリゲーターとして参画し、デマンドレスポンス*5要請時にも水の安定供給とポンプ場における送水ポンプの消費電力の調整を両立させる最適な運用計画の策定に取り組んできました。今年度も引き続き実証に参加することで、VPPの実用化に向けた検証をさらに進めていきます。
従来、電力システムは需要に合わせて供給を行うという形態が採られてきましたが、東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を契機に、電力の需給バランスを意識したエネルギーの管理が求められるようになりました。こうした背景から、大規模発電所(集中電源)に依存した従来型のエネルギー供給システムが見直されるとともに、需要家側のエネルギーリソースを電力システムに活用するVPPの構築が進められています。VPPは、工場や家庭などが保有する蓄電池、電気自動車および発電設備、などのエネルギーリソースを、IoTを活用した高度なエネルギーマネジメント技術の活用により遠隔・統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組みです。電力システムにおいて、電力負荷平準化や再生可能エネルギーの吸収および供給などを実現することが期待されています。
このような背景を受け、日立は、関西VPPプロジェクトに参画し、平成31年度の実証では、大阪府高槻市水道部と連携し、高槻市内のポンプ場2カ所の送水ポンプについて、電力需給調整を含めた運用計画の最適化に取り組みました。浄水場で造られた水道水は、送水ポンプで配水池に送られて一時貯水された後、配水池から一般家庭などへ、需要に合わせて配水されます。浄水場から配水池への送水ポンプの運転スケジュールは、日々の水需要予測にもとづき、需要家への安定供給および浄水場の安定運用を考慮して立案されます。VPPでは、ACからのデマンドレスポンス要請に対応するために、配水池の貯水能力を活用し、水の安定供給を妨げることなく、送水ポンプの運転時間を変更した運用計画を策定する必要があります。
そこで日立は、独自の最適化アルゴリズムにより、配水池での一定水準以上の貯水量を確保しながら、電力のデマンドレスポンスの要請に応じて、送水ポンプの運転台数を削減、追加稼働し、運用計画を最適化する実証を行いました。具体的には、ACである関西電力からの電力のデマンドレスポンス要請に対して2カ所の送水ポンプの変更可能な運転時間と電力量を求め、それらの組み合わせから最適となる運用計画を策定しました。
その結果、水の安定供給を維持しながらACからのデマンドレスポンスに応えるとともに、令和3年度からの実運用を想定した方法の有効性を検証することができました。
日立は今年度も実証に参画することで、水の安定供給とデマンドレスポンスの両立をめざし、複数の自治体との連携や、タブレット端末を活用した運用計画のクラウドサービス化の検討も含め、引き続きVPPの実用化に向けた検証を進めていきます。
日立は、水総合サービスプロバイダーとして、長年培ってきたOT、ITおよびプロダクトの実績・ノウハウを活用し、本事業への参画を通して、今後も水道事業を担うお客さまや社会が抱える課題解決に貢献していきます。
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概要:日立製作所
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