TOKYO, Oct 24, 2019 - (JCN Newswire) - 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下、グループを総称して「SMBCグループ」)(注1)、株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)(注2)および富士通株式会社(以下、富士通)(注3)は、このたび、AIを活用しソフトウェアの修正案を自動推奨する技術(注4)について、有効性を確認するための実証実験を共同で実施しました。
本技術は、静的解析ツール(注5)によって検出されたソフトウェア中の潜在バグに対応する修正案を、AIを活用して自動的に生成し、ソフトウェア開発者へ推奨する技術です。今回、日本総研が開発している株式会社三井住友銀行(以下、三井住友銀行)(注6)の金融取引を行うシステムのソフトウェアについて本技術の適用評価を行った結果、検出された潜在バグの半数以上に対して適切な修正案を推奨することができました。これらの修正案を活用すると、潜在バグの修正時間が手作業での修正に比べて最大約30%削減可能となったことから、ソフトウェア開発および保守の短時間化への貢献が期待できます。
背景
金融業界においては、デジタルトランスフォーメーションやFinTechを活用したサービス革新が競争力の向上に欠かせなくなっています。最新のデジタルサービスをお客様に素早く提供することが求められる一方で、金融サービスには特に高い信頼性が要求されるため、ソフトウェアの品質を短時間で高められる手法の開発が課題となっています。
その中で、今回、Fujitsu Laboratories of America, Inc.(以下、FLA)(注7)とSMFGシリコンバレー・デジタルイノベーションラボによる連携の中で、三井住友銀行の金融取引を行うシステムのソフトウェアに対し、FLAおよび株式会社富士通研究所(注8)が開発した本技術を適用する実証実験を行い、その有効性を共同で検証しました。
ソフトウェアの修正案をAIで自動推奨する技術について
本技術は、静的解析ツールが検出したソフトウェアの潜在バグ箇所に対して、予めAIが学習した潜在バグの修正パターンを当てはめながら修正案を自動生成し、開発者に推奨する技術です。
潜在バグは、処理速度に影響を及ぼすものをはじめ、プログラムに誤った動きをさせる可能性があるもの、ソフトウェアの保守や修正を困難にするものなど多岐にわたります。潜在バグの修正には、ソフトウェアの開発者が個別に対応方法の検討から行う必要があり、多大な時間を要することが課題となっています。
本技術では、様々なソフトウェアの開発履歴データから潜在バグの修正パターンをAIが予め学習しておきます。その修正パターンを開発中のソフトウェアの潜在バグと突き合わせることで、最適な修正案を自動生成し、開発者に推奨します。本技術の活用によって、開発者が全て手作業で指摘箇所に対応する場合と比較して、ソフトウェア開発および保守の短時間化が可能になることが期待されます。
実証実験の概要
1. 期間
2019年8月1日から9月30日まで
2. 内容
実証実験では、日本総研が開発している三井住友銀行の金融取引を行うシステムのソフトウェアに対して、本技術を適用しました。実証においては、対象ソフトウェアに内在する潜在バグ数を静的解析ツールで計測し、そのうち本技術によって適切な修正案を提示できた箇所の総数を計測しました。また、その妥当性については、出力された修正案を全件手作業で確認し判定しました。
その結果、対象ソフトウェア中の潜在バグの52.7%について修正案を出力でき、それらのうち95.3%は妥当であることが確認できました。これは、潜在バグ全体の50.2%に対して、適切な修正案を推奨することができたことになります。本実証実験の結果を基に、潜在バグの修正時間を試算したところ、AIが自動推奨した修正案を活用した場合、開発者が修正内容を考え手作業で対応していた場合に比べ、最大約30%の時間を削減できることが分かりました。
今後の展開
今後、SMBCグループ、および日本総研では、ソフトウェア開発の効率化および品質向上のために、本技術の本格導入を検討していきます。また、富士通では、実証実験の結果に基づき本技術で分析できる潜在バグの抽出数を増やし、精度改善を行うとともに、2020年度中に開発支援サービスとして提供することを目指します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2019/10/24-1.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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