TOKYO, Aug 21, 2019 - (JCN Newswire) - 日本電気株式会社(注1、以下NEC)、Fraunhofer IOSB(注2、以下 フラウンホーファー)、株式会社カブク(注3、以下 カブク)、Korea Electronics Technology Institute(注4、以下KETI)、沖電気工業株式会社(注5、以下 OKI)、豊田通商株式会社(注6、以下 豊田通商)は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(注7、以下 産総研)と共同で、インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(Industrial Internet Consortium、注8、以下IIC)に対し、産業用インターネットにおける新しい技術や応用方法、製品・サービス・プロセスなどの有用性を検証していく場である検証環境(テストベッド)として、AI間自動交渉プラットフォーム(Negotiation Automation Platform)を提案し、承認されました。
本プラットフォームは、複数のAI間での協調・連動動作を可能にするAI基盤技術(注9)を活用しています。各システムのAI同士は、取引条件や資源の割り当て・融通方法などを自動的に交渉し、双方の利害を調整できるようにします。これにより、今後、企業や組織の壁を越えてシステム同士が接続し、より複雑で大規模になると予想される物流・製造を含むさまざまな社会インフラシステムについても、効率的な運用が可能となります。
NECは提案リーダとして本テストベッドを提案し、フラウンホーファー、カブク、KETI、OKI、豊田通商、産総研が参加者として本提案に参画しています。今後6社は、本テストベッドへの参加者を増やしながら、AI間で自動的に交渉するプラットフォームを国際標準化する活動を進め、製造・物流だけでなく、他の業界にも展開していきます。
背景
現在の社会では、AIを用いてシステムをよりスマートに制御し、社会の価値の増大や産業競争力の向上を狙う動きが活発になっています。将来は、所有者が異なる個別システム内で動作する複数のAI同士が、自動で協調・連携して働くことで、人手不足などの社会問題を解決すると考えられています。さらに、社会的・経済的・倫理的・法的な観点からの課題への取り組みとして、例えば、法制度の整備を含め、重要な意思決定を自動化することの可否や、その結果として生じる事象の責任分担、IT弱者の被る不利益や強者の果たすべき役割と義務などに関する検討も進められています。
また、AI間の自動交渉は社会全体としてのAIのネットワーク化としても位置付けられ、特に「(製造業における)バリューチェーン」「交通・人流」「電力・水」「自動運転車・移動体」の各分野での活用が大いに期待されています。例えば、バリューチェーン上の企業間取引において、現在は人が時間をかけて「交渉」により行っている複雑な組織間の利害調整を、AI同士が連携しより素早くかつ効果的に済ませる事で、社会全体が効率よく回ったり、柔軟な対応が進んだりすることで、大きな社会的価値が創造されることが期待できます。
今回承認されたテストベッドでは、製造業のバリューチェーンにおける「加工、組立から物流に至るまでの一連のサプライチェーンの受発注契約の支援」として、製品製造の各工程や物流に伴う、会社間でのビジネス相手の発見と受発注条件の調整をAIが自動で行えるかを検証します。
AI間自動交渉プラットフォームテストベッドの特長
- 発注側/受注側それぞれの企業がエージェントとなる交渉AIを保有し、それらAIが、AI間自動交渉プラットフォームを介して、双方が合意できる取引条件を探索します。この探索は、標準化されたプロトコル、データ・フォーマット、語彙定義を用いて、相互に取引条件案の提示と受諾可否の回答といった「交渉」を行うことで実行されます。
- 双方合意できる条件が発見できた場合は、契約するかどうかの最終判断を人間であるユーザに仰ぎます。これにより、受発注者双方にとってWin-Winとなる条件の発見を容易にし、製造や物流のバリューチェーンの効率化・柔軟化を実現します。
なお、このたび承認されたテストベッドは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における研究成果(注10)を活用したものです。
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概要:日本電気株式会社(NEC)
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